この世界の片隅で

この世界の片隅に千歳に続いて二度目ですが見てきまして。
パンフは売り切れ。12月初めごろには入荷するそうで。

戦時下をネタにした映画はジブリの「火垂るの墓」や「はだしのゲン」など、悲劇的な演出や結末が描かれている作品は多いが、この作品も実は戦中の出来事の中で、主人公のすずさんという「普通の人」がどう生きたのかを淡々と、描かれている。
物資が配給制になって食べたいものが食べられなくなった時には、野草を代用食として試してみたり、好奇心を持ってそれなりに楽しんだり、悩んだり、考えたり、時々アチャーとなったり、そんな割と明るい日常が一変するポイントは、軍港のある呉での空襲が激しくなるころ、一つの悲劇が起こってしまってから。
どんなに困難な状況になっても、悲劇に見舞われても、明日は続く。
大事なものを全て失ってしまったすずさんが終戦で嘆く様は、心を打つものがある。

ただその後も、生き残った妹と明るく接していたり、世界の片隅で自分を見つけてくれた夫の周作に感謝したり、戦災孤児の少女を養う決断をしたり、芯は強い。たぶん、今もどこかで生きていそう。
昨今、殺伐とした事が多い日本にあって、ひと時、ほっこりさせてくれるいい映画だと思う。

長いEDクレジットで展開されるのは、戦災孤児の少女のその後、そしてサブエピソードであるリンさんの生い立ちが描かれているので、終わるまで席を立つのは厳禁である。

pointpointpointpointpointpointpointpointpointno point
この作品に対する評価は、10点中9点