1952年に発表され、カーネギー賞やアメリカ図書館協会賞を受賞した小説家メアリー・ノートンの代表作「床下の小人たち」を題材に、舞台を「日本のどこか」に設定した、2年ぶりのジブリ映画。
監督は、「千と千尋の神隠し」に登場した「カオナシ」のモデル米林宏昌氏。声はいつもどおり俳優さんでまとめられている。

今回は札幌シネフロで見てきました。
正直申しますと、中途半端。1カット1カットのクオリティは凄くリアルで綺麗。なのにもかかわらず、ゲド戦記並みのぶつ切り感。題材的にすごくジブリらしいのに、非常にもったいない。
まず気になったのが、主人公が小人のアリエッティなのか、人間の翔なのかが曖昧で、物語に深みがない点。
時間軸的に過去の描写が無いので、なぜ「人に見つかってはいけないのか」、なぜ使用人の婆ちゃんは業者を呼んでまで小人らを追い払おうとしたのか。ちっとも盛り上がらないうちに、旅に出てハイめでたし・・・と終わってしまった感が強く残りました。キーポイントとなりそうなドールハウスの存在も、結局何を意味したのかわかりませんでした。あの感じでは、翔の小人に対して善意で行った行為は、確かに小人にとっては「悪いこと」だったのかもしれませんが、それが「悪いまま」になってしまって、結局浮かばれず気持ちとしてはすっきりしませんでした。
囚われた小人のお母さんを探すのが、盛り上がるシーン? いいえ、ケフィアです。
・・・というのは、ちょっとあんまりだと思いますが。そろそろ、御仁にはそろそろ、脚本も引退していただきたいと思います。

この間、「となりのトトロ」地上波版見ましたが、20年以上前の作品であるにもかかわらず、行方不明になったメイを探すものの見つからず、最後にサツキがトトロ懇願して、メイを探しに猫バスで送ってもらうあたりからの盛り上がりはすごいものがありました。終盤の、川でメイのものらしきサンダルが見つかり、まさか事故に!?という不安感や見る者を焦らせるシーン等を経て、その後のスーパーマン的なトトロの扱いが際だっており、凄くかっこよかった。

最近のジブリ映画は、そういった各キャラの「見せ場」が薄い気がします。
一方で、観客に対しておしつけがましい要素(自然破壊だとか戦争反対とか)が増えてきています。
作家の思想が入るのはまだ由としても、まずはエンターテイメントとして起伏のある面白さ、意外なドンデン返しを期待したかったですね。

あーあまりにももったいない。もう、ジブリ映画に期待をするのはやめようかしら?