Monthly Archives: 7月 2019

Girl/ガール

Girl/ガール

映画サイト:http://girl-movie.com/
映画.com:https://eiga.com/movie/89979/
鑑賞場所:シアターキノ

葛藤の末の決断に至る物語

バレリーナを目指すトランスジェンダーの少女の成長を描いた長編映画。
家族やバレエ学校に体に関して一定の理解(更衣室やシャワーの利用が許可されている)があり、待望のホルモン治療を開始した最中、成長とともに変わっていく体によってうまく踊れなくなることへの焦りや、同じアパートメントで知り合った男性への恋や、主人公ララに対するクラスメイトの嫌がらせにより、次第に心身ともに追い込まれていく・・・。

正直、一応当事者として理解はできる。家族も学校も比較的理解があり恵まれた環境ではあったものの、性別を決定づける「物理的な部分」については手術で除去するしかない。だが、ガイドラインに従う方法では時間が膨大にかかってしまう。
ちなみに、胸が膨らむまでには4つの過程を経て育っていくのだが、形として出てくるまでには少なくとも2年以上はかかる。成長期だと男性ホルモンの影響も大きいため、仮に薬を大量服用したりホルモン抑制剤を併用していたとしても時間的にはあまり変わらない。だが、多感な時代の焦る気持ちとやるせない気持ちの中で、ホルモン剤の副作用で精神的にも影響が出ている最中、どう折り合いをつけていくのか本当に難しいと思う。

ただ、時間は待ってはくれない。焦りを誘う表現は非常によくできていた。
気になった点としては、カメラワークがドキュメンタリー風で手振れや不用意なボケが多い。バレエのけいこが主人公ララのバストアップ・足元だけが多く、引き絵が全くないので、どのように踊っているのか分かりにくい。全体像の半分を占めるバレエシーンは少し不満。会話も日本映画のような親切さはないので、字幕を追うだけでは心情までの理解には至りにくい。

クラスメイトからの恥辱、好きな男性とも恋ができない主原因を排除しようとするが、これは絶対にまねをしてはいけない。(過去にこんな事件があった・・・)
そしてラストは果たして「自分らしく」なれたのか、特に明示されず映画は終わる。
後味の悪い、もやもや感が残る映画であった。