イラストレーター寺田克也の仕事術

ちょっと楽しみにしていた講演会であったので、募集開始後速攻で応募したイベントに参加。
氏の作品で個人的に印象に残っているのは、探偵神宮寺三郎シリーズのキャラデザとかカルドセプトのイラスト等、Painterらしいねっとりとした色使いながら、いい意味で「なにかどこかおかしい」組み合わせの「感性に任せた」デザインが特徴だったように思っていました。そんな処から美術家とか「現代アート」方面に多いガチな人なのかなぁとちょっと心配になったりもしたのですが・・・ふたを開けてみれば普通に話の旨い「おっさん」でした。

氏の作品はこちらなど。
最近では、iPadPro(13吋)+ApplePencil+Procreateを使って制作されている、とのこと。

自分が追い求めている方向性とは真逆ではあるのだけど、公共事業ではボランティア扱いされたり、ラノベやカードゲー等で安売りされたり買いたたかれたりされる中、「イラストレーター」としてこれからも食っていくためにはどうしていくべきか・・・そんな答えを見つけようと割と多くの人々が集まったようです。(殆どはICC関連の人たちのようでしたが・・・)
司会はいつもの「音楽系クリエイティブにのめり込み過ぎて心配な」ICC事務局の某さん。
寺田さんの横にはリボンアーティストの前田麦さん。

話のうまさの原点は、学生時代に「カンプカットデザイナー」として広告代理店に関わっていたことのよう。今ではググれば様々な画像が検索でき、よいか悪いかはさておいて資料用に転用できる時代(時々流出して騒ぎになったりもしましたっけ)ではあるけども、インターネットがない時代は絵コンテ部分わかりやすく作画するという、体の良いバイトとして機能していた時代だったよう。
昔、映画館の入り口に飾っていた絵も、職人が世界観を解釈して描きこんで制作していて、それがまた結構な稼ぎになっていた事があった。その職人になんとなく憧れていたことがありました。
だが、インターネットが普及した昨今、職人も含めて映画館すら淘汰されつつある時代。安泰だと思われた仕事が、ある日を境に無くなってしまう・・・。
悲観する処だと思われるが、氏は違っていました。

「来てない不幸を考えない。いま、何をやっているかが大事。」

「自分を救うのは自分の作品だけ。」

さすがというか、ポジティブ。そして腑に落ちました。
そう、請負仕事には必ず終わりがある。安泰という時代はこの先もうこない。
そこで、何が残ってなにができるのか。
今まで作ってきた「ポートフォリオ(作品群)」が何かのきっかけで武器になり、何かのきっかけで仕事につながる・・・10年後に自分は何をやっているのか想像しながら、氏は好きな絵の仕事を熟成させてきたよう。
今やキャラデザなどの人物絵が描けるだけであれば確かにゴマンといる競争率の激しい昨今、じぶん色が出せるのは背景なども含む、独自の世界観や物語が紡ぎだせる「漫画」だった。だから絵仕事がメインになりつつあっても「漫画家」と今でも名乗っているそう。

・・・鼻水が出そうでした。
わかってはいたのに、実践してこなかった自分が恥ずかしい。

P.S.
Facebookのイベントページで、ど真ん中に大写しになったのは単なる偶然です。(笑)